サンゴジュ

枝や幹にムシがいる

カイガラムシ類

【症状、被害】

 種類が非常に多く、約400種類が存在します。その姿はさまざまで、殻をかぶったもの、体がロウ物質や粉に覆われているもの、逆に殻のないものもいます。
 大きさは種類によって1~5mm。色は白、茶褐色、紫褐色など。繁殖回数は年に1~3回程度です。成虫は木に張り付いたまま冬を越し、5~7月に幼虫が現れます。
 樹木の葉や幹に寄生して吸汁するため、被害木は成長が阻害されて衰弱し、ひどい時には枝が枯れることもあります。
 また、カイガラムシの排せつ物は、葉や幹がカビで覆われる「すす病」などの原因となりますので、この虫を駆除します。 すす病の詳細はこちら  カイガラムシは殻をかぶった害虫のため、成虫には薬剤がなかなか効きません。そのため、薬剤散布はできるだけ幼虫の多い時期を見計らって実施しましょう。
 また、防除として、枝葉をせん定して、風通しを良くすることが大切です。特に足元に風が通るようにするとよいでしょう。

【防除、対策】
  1. 寄生している枝葉を切除し、幹の虫体はヘラや歯ブラシでこすり落とす。
  2. 幼虫発生期の6~7月頃に、スプラサイド・カルホス・スミチオンなどの乳剤(1000~1500倍液)のいずれかを、10日間間隔で2~3回散布する。 (前回と異なる薬剤が効果的。)
  3. 12~1月にマシン油乳剤の散布すると、発生密度を抑えることができ、アブラムシなどの防除にも効果的。
マツ
マツ
マツ
マツ

すす病

【症状、被害】

 主に葉に発生し、枝・幹・果実にも発生し、表面が黒いすすに覆われたようになります。
 すす病菌は高温を好み、夏に多発します。
 原因は、植物に寄生しているカイガラムシやアブラムシの排泄物に菌類が二次的に寄生して繁殖するためです。
 そのため、原因となった害虫を駆除する必要があります。

【防除、対策】
  1. 休眠期の12月~3月に、薬剤(マシンオイル乳剤)を散布し、害虫を駆除。
  2. 幼虫発生時は、スミチオン乳剤で対処できる。

 大事なのは害虫を寄せ付けないことです。
 日当たりや風通しの悪いところに発生しやすいため、生育環境を良くすることも重要です。

ウメモドキ
ウメモドキ
百日紅
百日紅
タブ
タブ
クロガネモチ
クロガネモチ

アメリカシロヒトリ

【症状、被害】

 年に2~3回発生します。
 樹皮の割れ目などで卵で冬を越し、成虫は5月中旬~6月と7月下旬~9月上旬に現れ、葉の裏に300~700粒を産卵します。
 幼虫(毛虫)は黒色で長い白い長い毛で覆われており、6月上旬~7月中旬と8月中旬~9月頃に現れます。
 幼虫は糸を吐いて袋状の巣を作り、その中に群がって葉肉を食し、葉皮と葉脈を残すため、加害葉は白くカスリ状になります。

【防除、対策】
  1. 白い袋状の巣は、枝ごと切除して焼却する。
  2. 若齢幼虫期に、スミチオン乳剤(1000~1500倍液)やカルホス乳剤(1000倍液)を散布する。

サンゴジュハムシ

【症状、被害】

 年に1回発生します。
 4月上~中旬頃に幼虫が現れ、葉脈を残して食害し成長するため、葉は穴だらけになります。
 成虫は6~7月頃から現れ、幼虫と同じように葉肉だけを食べます。
 メスは茎に穴を開けて卵を産み、幼虫は新芽の頃ふ化します。

【防除、対策】
  1. 食害痕の付近の葉の裏を調べ、成虫・幼虫を捕殺(駆除)する。
  2. 4月中旬(幼虫の発生時期)と6月初旬(成虫の発生時期)に2週間間隔で4~5回、スミチオン乳剤(1000倍液)を散布する。
    (※薬剤散布時に、オルトラン粒剤をまくと効果的。)