クロマツ

葉が黄色に変色

褐斑葉枯病

【症状、被害】

 8月中旬からマツ葉上に黄褐色の斑点(まだら模様)が現れ、そこから葉先にかけ灰褐色に変色し、葉が枯れます。
 マツ葉の褐色への変化や変色した葉の落葉により、発病の翌年の3~4月頃に最も目立ちます。被害が激しいと、木全体が枯れたように見えることがあります。

【防除、対策】
  1. 伝染源となる変色した葉や病落葉を取り除き、焼却処分する。
  2. 芽摘みや枝の剪定は控える。
  3. 12月~2月に出来るだけ有機物は取り除き、無機質の木炭をすき込み菌根菌と共生関係する環境に整える。
  4. この病気の防除の薬剤はなく、併発する「葉ふるい病」の防除薬剤(銅水和剤(キノンドー水和40の500倍かドウグリーン水和剤の1000倍))を、6月~9月に15日間隔で散布する。散布量は薬液が枝葉から滴り落ちる程度。展着剤(アビオンEなどの1000倍)を添加すると効果が長持ちする。この場合はの散布間隔は20日間隔でよい。

 似た症状で、〔赤斑葉枯病〕がありますが、これは11月頃から発病するので区別がつきます。 〔赤斑葉枯病〕は、当年葉に小さな褐色の斑点が生じ、2~3月に鮮やかな赤褐色の斑点(まだら模様)になり、冬を越し、夏から秋にかけて2年葉の病斑から先端全体が赤褐色に変色し枯れます。枯れたマツ葉は落葉します。

マツ葉ふるい病

【症状、被害】

 8月末頃から、マツ葉に健全部と黄色の病斑が交互にカスリ模様に現れ、翌年2~3月に気温が上昇すると急激に変色が進み、激害の場合は褐色に変わり、激しくふるい落ちます。
 この病菌の胞子は5月に形成量が急激に増加して、放出・飛散は6月上旬~7月中旬に集中するので、感染時期としては6月上旬~7月中旬が最も重視されます。

【防除、対策】
  1. 病落葉は、掃き集めて焼却する。
  2. 12月~2月に出来るだけ有機物は取り除き、無機質の木炭をすき込み菌根菌と共生関係する環境に整える。
  3. 激害の場合は、6~9月に2週間隔で、有機銅水和剤(キノンドー水和剤の500倍かドウグリーン水和剤の1000倍のいずれか)を散布する。散布量は薬液が枝葉から滴り落ちる程度。

 また、1水はけによい場所への植栽、2落ち葉などの有機物は取り除く、3強度の剪定や芽摘みをしないなど、適正な管理が必要です。

トドマツノハダニ

【症状、被害】

 年に4~5回発生します。
 4月中旬よりふ化し、10月まで繁殖を繰り返します。特に5~6月と9~10月に高密度になり、高温乾燥の年に発生が多くみられます。
 吸汁されると、緑色の葉が黄色くなり、被害が進むと褐色になるため、健全なものと区別が容易です。

【防除、対策】
  1. 発生初期に、バロックフロアブル(2000倍)を散布する。(使用回数は1回、殺卵力が強く、幼虫には有効であるが、成虫には効力が劣る。)
  2. 低木ではダイシストン粒剤の土壌施用が極めて効果的である。
  3. 梅雨期から夏にかけて、敷地内の風通しを良くすることが効果的。

 なお、ハダニは水に弱いため、樹高が低い木ならば、先に散水して虫体を落としてから、薬剤を散布すると効果が高まります。

トドマツハダニ

マツノホソアブラムシ・マツノカサアブラムシ

【症状、被害】

 春~秋に枝と幹に寄生し、樹皮で冬を越した幼虫は5月に成虫になり産卵します。
 虫体は白い粉で薄く覆われていて、マツ葉上を活発に動き回ります。
 多発すると、マツ葉は黄色になり、早期に落葉を起こし、樹勢が弱っていきます。 すす病の詳細はこちら

【防除、対策】
  1. 冬期にマシン油剤乳剤(40倍液)を散布し、春の発生を抑える。
    (※冬期にマシン油乳剤を使用する場合、なかなか水に溶けにくいため、お湯で撹拌しながら徐々に水を加える。)
  2. 4~5月以降は、発見し次第、スミチオンなどの乳剤(1000~1500倍液)を散布する。
マツについたアブラムシ類
マツについたアブラムシ類

すす病

【症状、被害】

 主に葉に発生し、枝・幹・果実にも発生し、表面が黒いすすに覆われたようになります。
 すす病菌は高温を好み、夏に多発します。
 原因は、植物に寄生しているカイガラムシやアブラムシの排泄物に菌類が二次的に寄生して繁殖するためです。
 そのため、原因となった害虫を駆除する必要があります。

【防除、対策】
  1. 休眠期の12月~3月に、薬剤(マシンオイル乳剤)を散布し、害虫を駆除。
  2. 幼虫発生時は、スミチオン乳剤で対処できる。

 大事なのは害虫を寄せ付けないことです。
 日当たりや風通しの悪いところに発生しやすいため、生育環境を良くすることも重要です。

ウメモドキ
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百日紅
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タブ
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クロガネモチ
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